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[経済産業省]

経済産業省
原子力推進機関。経産省を中心に政府が拠出する原子力予算は年間約8370億円。(2011年度概算要求額)

内包する原子力関連機関
資源エネルギー庁原子力安全・保安院
原子力関連の所管・出資機関
(特別の法律により設立される法人)
原子力発電環境整備機構(NUMO)[経産]
(独立行政法人)
日本原子力研究開発機構[経産・文科]
原子力安全基盤機構[経産]
産業技術総合研究所[経産]
(財団法人)
日本原子力文化振興財団[エネ庁・文科]
若狭湾エネルギー研究センター[エネ庁]
エネルギー総合工学研究所[エネ庁]
日本立地センター[経産]
(一般財団法人)
電源地域振興センター[エネ庁]
原子力国際協力センター[内閣府・外務・経産・文科]
日本エネルギー経済研究所[エネ庁]
電力中央研究所[エネ庁]
エネルギー総合工学研究所[経産]
発電設備技術検査協会[保安院]
(公益財団法人)
核物質管理センター[エネ庁]
原子力環境整備促進・資金管理センター[内閣府(元経産)]
原子力安全研究協会[経産・文科]
海洋生物環境研究所[経産]
(社団法人)
原子燃料政策研究会[エネ庁]
日本電気協会[エネ庁]
日本動力協会[エネ庁]
(一般社団法人)
日本原子力技術協会[経産]
日本原子力産業協会[元 経産]
海外電力調査会[エネ庁]
日本経済団体連合会[経済産業政策局]
火力原子力発電技術協会[保安院]
電気協同研究会[保安院]
(株式会社)
国際原子力発電[経産]
産業革新機構[経産]

目次
安全規制の空洞化
官僚の天下り
やらせによる世論操作

安全規制の空洞化

原子力を推進する資源エネルギー庁と規制する原子力安全・保安院を持ち、エネ庁と保安院、安全委の間で人事異動が行われ、実質的に一体の行政を展開してきたため、安全規制の空洞化を指摘する声が多い。


官僚の天下り

監督官庁である経済産業省から電力会社への天下りが原発の安全基準のチェックを甘くさせる構造として批判が集まった。

また、指導監督を受ける側の経産省担当の原発推進団体への天下りも常態化している。


やらせによる世論操作

原発のシンポジウム等で長年に渡り経済産業省が電力会社に「やらせ」を要請し、世論操作をしていたことが発覚した。第三者委員会による調査が行われたが、調査期間が過去5年間のみと短すぎるため発覚は氷山の一角であるとの見方や、関係者の処分が甘すぎるとの声も強い。

(※調査対象は直近5年間に国主催で開催されたシンポジウムなど41件のみ

[1] 05年10月 玄海原発 プルサーマル・シンポ(九州電力)
保安院原子力安全広報課A課長(=伊藤敏)は、関係者を動員し積極的に賛成意見を述べることを九電に要請。九電は当初から自らもそう予定しており、やらせを実施。またのちに、佐賀県職員の関与も認定された。

[2] 06年6月 伊方原発 プルサーマル・シンポ(四国電力)
上記のA課長(=伊藤敏)は、関係者を動員し積極的に賛成意見を述べることを四電に要請。四電は当初から自らもそう予定しており、やらせを実施。また事前に「仕込み質問集」を配布。発言した15名のうち10名は、発言を依頼された者だった。

[3] 06年10月 女川原発 耐震安全性の住民説明会3件(東北電力)
上記のA課長(=伊藤敏)は、関係者を動員し積極的に賛成意見を述べることを東北電力に要請。また、各会場フロアから満遍なく賛成意見が出るよう、各ブロックごとに関係者を一定数配置させた。東北電力は当初から自らもそう予定しており、やらせを実施。

[4] 07年8月 浜岡原発 プルサーマル・シンポ(中部電力)
保安院原子力安全広報課課長(=吉村宇一郎)は、関係者の動員と「仕込み質問」を中電に依頼。中電は当初から自らもそう予定しており、参加の呼びかけを実施。(関係者約240名が参加登録。参加者総数は524名。)
「仕込み質問」ついては、中電では文案の作成に着手したが、社内で反対意見が出たため要請には応じず。しかし、推進派の地元住民10名程度に発言を要請。

[5] 08年8月 泊原発 プルサーマル・シンポ(北海道電力)
エネ庁電力・ガス事業部原子力立地・核燃料サイクル産業課原子力発電立地対策・広報室室長(=鈴木洋一郎)より、推進側の質問を出させることを北電に要請。北電は推進派の地元住民に質問を要請し、社員に対し参加の呼びかけを実施。またのちに、道職員の関与も認定された。

[6] 10年5月 川内原発 第一次公開ヒアリング(九州電力)
ヒアリング会場決定前、九電との打ち合わせで、上記広報室のC室長は、会場予定地について「収容人員が多いなぁ。できるだけ埋まった方がいいんだけどなぁ」と発言。開催に当たり、九電は地元住民等に参加の呼びかけを行ったが、国の関与で不適切な行為が行われたとは断定できないとしている。

[7] 11年6月 玄海原発 佐賀県民向け説明番組(九州電力)
※九電は第三者委員会の報告書を改竄、佐賀県知事の関与を削除。枝野経産大臣は「理解不能」と強く批判。

6月21日 佐賀県知事古川康九電副社長・原発事業トップの段上守常務・原子力発電本部長諸岡雅俊佐賀支店長大坪潔晴が会談。「(説明番組で)再開賛成の意見を増やすことが必要」との認識で一致。
6月22日 段上副社長から原子力発電本部部長(当時)への指示で「やらせ」要請メールを関連会社7社に送信。
6月26日 県民向け説明番組『しっかり聞きたい 玄海原発』(制作:経産省)がケーブルテレビとネットで生中継され、視聴者からの質問を同時に受け付け。(ファックス116件、メール473件、うちメールでの賛成226件、反対119件、その他128件 ※のちの九電の社内調査報告書によると、投稿した関係者は141人)
7月2日 九電子会社社員の内部告発で、しんぶん赤旗がやらせをスクープ。
7月4日 九電原子力発電本部副本部長はやらせを否定。
7月6日 衆議院予算委員会で問題になり、九電社長眞部利應が事実を認め謝罪。
7月7日 眞部社長が辞任を表明。
7月8日 九電会長松尾新吾は、既に退職した副社長が発端であったとし、自身と眞部社長の進退を先送りに。
9月8日 第三者委員会は中間報告書を九電に提出。6月21日の会談での古川佐賀県知事の発言が発端と認定。これに対し、古川知事は「真意とは異なる」「私が責任を取ることにはならない」と反論。
9月30日  第三者委員会は最終報告書を九電に提出。古川知事の関与、九電の世論操作を断定。
10月14日 九電は臨時取締役会の後、最終報告書(古川知事の関与を改竄したもの)をエネ庁に提出。眞部社長は続投を表明。
10月16日 枝野経産大臣は九電の報告書改竄を「理解不能」と批判。※そもそも九電に自身の犯罪調査を依頼させることがおかしいのでは。
10月18日 九電は修正版最終報告書を週明けにも再提出するとしたが、2011年11月23日時点では最提出されていない

出典
最終報告書 第三者委員会 PDF (注)[7]にある改竄のされたもの | SANKEI EXPRESS 2011年10月5日 | 経済産業省 ニュースリリース PDF 2011年10月4日 | 九州電力やらせメール事件 WIKIPEDIA

≪直接関与≫・戒告 吉村宇一郎鈴木洋一郎  ・訓告 元原子力安全・保安院係長級職員
≪監督責任≫・訓告 鈴木正徳西山英彦森本英雄
※[1][2][3]に関与したA課長こと伊藤敏が処罰を受けていない。